映画「蜜蜂と遠雷」を観て
「世界の音がする」
「あなたが世界を鳴らすのよ」
こんな亜夜と母親の会話がピアノで連弾する時の回想がオープニングで流される。
亜夜は天才少女と呼ばれ、ピアノ界では一目置かれていた。だが、あるコンクールでオーケストラと共演する時、ある箇所だけ弾けない。その弾けない怖さからその場から抜け出すのだった。。。
日々、目まぐるしく変化する生活に、どこか遠くへ逃げ出したくもなる。だが、そんな日常を
音楽と仲間と共に生きていこう!
そんなメッセージがこの映画にはある。
逃げない事は自分と対峙することでもあり、キツイことだ。自分の苦手としている部分をえぐり出す作業なのだから。しかし、だからこそ、生きる意味を見いだせる。そんな気がしてならない。
そこで、生きる支えとなるのが、家族であり、「仲間」の存在。
同じ境遇に立っているものしか分からない苦悩を分かち合う。天才と言われる人達は、自分の孤独と闘っているのだ。
これは誰しもが言えることではないだろうか?
国際ピアノコンクールを通して出会ったそれぞれ境遇の違いはあるかもしれない登場人物。僕はたとえ小説や映画の中であるが、一生忘れられないだろう。
全ての人達が、同じ境遇に立ち、同じ時間を共に過ごす。
僕が僕であるために、発信していく!
”自分”という”仲間”を信じて。
そんなメッセージを感じたいい映画だった。